Daily Archives: 2010年3月9日

号外: スイスから動物にも弁護士を!の国民投票のニュース

先週末に相方にラジオで聞いたって言われてはじめて知ったんですが。スイスではこの日曜日に動物関連の下記のような国民投票があったようです。
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国民投票に関する超簡単注釈: スイスには、国民全体にとって重要だと思われる政策に関してや法改正などの際に、国民全員が参加できる国民投票を行って国民に直接その是非を問うという制度があります。また、各団体などが推進して署名を集め、それを元に行われる国民投票もあります。日本では自治体などが行う住民投票がありますね。それが全国バージョンとなっているのです。
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さて、この日曜日に行われた国民投票は、「動物保護刑事訴訟」の改善を行うべきか行わないべきかを決めるもの。スイスはヨーロッパの中でも特に動物保護が進んでいるらしく、その中でも特にチューリッヒ州(カントン)が一番進んでいるらしいんです。
そもそもこの「動物虐待に反対し、動物のより良い法的保護」を求めた一連の運動は、スイスのNGO「スイス動物保護協会(PSA)」(リンクあり:英仏独伊)が提唱したものです。この団体が、国民投票を行うのに必要な10万人分の署名を越えた15万人分もの署名を集め、今回の国民投票に至ったのです。
(この動物弁護士導入を求める運動についてのHPは→(独仏伊のみ))

スイスの保護団体は運動を始めて以来、動物が単なる物体ではなく、感受性を持った生き物であるということを民法で定めることに成功しました。2008年にはこの団体の活動により、動物を虐待した場合に被害を見届けた人が訴訟を起こし、罰金を支払わせることができる法律が施行されるようにもなったようです。
さらに動物保護が進んだチューリッヒ州では1992年から、動物が虐待などを受けた場合に、飼い主などの人間ではなく、動物に弁護士が付けられ、動物の側に立って訴訟が行われることが可能なのです。これに似た制度を導入しているのがザンクトガレン州やベルン州で、前者では保護団体の人が動物の側に立って訴訟を起こすことができるようです。
動物保護団体は、チューリッヒのような動物弁護士の制度をスイス全域に広めようとしたわけですが、連邦議会で反対にあったので、国民投票を行うための署名を集め、今回の投票に至ったようです。つまり、州レベルではなく全国レベルでこの弁護士制が導入されることを狙って、国民投票が行われたのです。
結果は(スイス議会のHPへ→独仏伊英
投票率: 45.2%
賛成: 29.5% (671’735人)
反対: 70.5% (1’604’498人)
と、反対が圧倒的でした。
しかし、上にも書いたように、チューリッヒ州には動物弁護士が実際にいるんです。
「陳腐な話に聞こえるかもしれないけど、すごいことなんだ。チューリッヒ州では動物虐待に関して刑罰が加えられることは普通のこと。交通違反の時のように刑が執行される。それについて議論されるんじゃなくて、当たり前のことのように刑が執行されるんだ。これはもう例外じゃなくて、法規範そのものになっているんだ。」
と、25年前から動物保護法関連の裁判に関わっているゲッチェル(Goetschel)弁護士は言っています。
ゲッチェル氏は特に、熱心に動物保護に関わって運動している方というわけではありません。ごく普通の弁護士さんです。これまで、ウマ虐待、150匹のネコを飼っている婦人、首輪が食い込んだ牛、殴られた犬…などなどを弁護されてきたそうです。それにつがいではなく一羽飼いのインコも!なぜならチューリッヒ州では鳥やテンジクネズミなどはつがいで飼うことが法律で決められているからです。
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参考にした記事など:
radio.de, "Tieren eine Stimme Geben"(リンクあり→独)
swissinfo, "Umstrittener Anwalt für Tiere"(リンクあり→: この記事の日本語訳→

転記などは大歓迎ですが、Kotoraが自分で訳している部分もありますので、その信憑性の問題もありますし、転記の際には一言お知らせいただけるようお願いいたします。
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比較してもしょうがないし、比較の対象の程度が低すぎて比較のしようもないですが。Kotoraの国、日本とスイスとなにが違うのでしょうか。スイスのほうが若干物価が高くて日本よりお給料がいいかもしれません。もちろんスイスの政治制度は他の民主主義国と比べてもかなり特殊かもしれません。でもその半分くらいは、マネができないものでしょうか?全部まねしろとは言わない。
人々が貧しくて内戦や食糧難、災害などそこまで手が回らない国々、悲しいけれどいっぱいあります。でも日本はそうじゃない。数少ない、こういう制度が導入できる、そして国民にもある程度そのことを考える余裕があるはずな、「豊かな国」のはずです。
動物虐待は犯罪だと思います。する人は法に則って罰せられなければならないと思います。動物虐待を行う人は罰せられ、できればそれが何故いけないことなのかを認識できるようにならなければいけないと思います。できれば、社会全体が動物虐待は犯罪だ、してはいけないことだという強い意識を持たなければならないと思います。
以前記事にした悪質サイトもまた手を変え品を変え、復活しているようです。(→
Kotoraも追跡して行きたいと思います
スイスのこうした運動も、積み重ねがあってのことだったのでしょう。Kotoraは遠方で直接は何も出来ませんが、できるだけ日本の状況も把握して、応援して行きたいと思います。